平成29年4月~31年3月 初期臨床研修医
笹川 奈央
第79回 日本臨床外科学会総会 研修医Award受賞
笹川です。2017年11月23日~25日に東京で開催されました、第79回日本臨床外科学会総会におきまして、研修医Awardを頂きました。発表した演題は、消化器内科で研修中に勉強させて頂いた患者様についてのもので、「経皮的アプローチにより除石しえた胆道再建術後の胆管結石の一例」です。
ついこの間までは国家試験に向けて、断片的な知識を暗記しているだけでしたが、綾部市立病院に来て、指導医の先生と一緒に患者様を担当させてもらい、病態や治療方針について深く考え、治療を行っています。実臨床の場で必要な知識や技術は、国家試験の勉強とは全く異なるもので、日々勉強に追われる毎日です。その中で、岡島先生から学会発表の提案をして頂き、スライド・原稿の作成、スライドの英訳、発表練習を何度も行い、学会で発表をさせて頂きました。1年前の今頃は学会発表をしているとは考えもしませんでした。
結果的に、全国規模の学会で、評価されたことは非常に栄誉あることだと思います。このような貴重な経験を与えてくださり、また直前までご指導して下さった岡島先生をはじめとする諸先生方に大変感謝いたします。本当にありがとうございました。今回の経験を今後の臨床に生かしていけるよう、これからも精一杯努力していきたいと思います。
指導医からひとこと
消化器外科の岡島です。私たちは内科の先生方と定期的にカンファレンスを行っています。 その中で大変興味深い症例があり、今回研修医の笹川先生に学会発表を行って頂きました。 見事なプレゼンと、よどみのない質疑応答により研修医Awardを獲得されました。おめでとうございます。
研修医の先生方には、まず社会人として、次に臨床家として成長して頂くことが最優先だと考えています。しかし同時に、学術的な面でも大きく飛躍して頂きたいと願っています。それは大学病院やhigh volume centerでなくても、綾部市立病院で十分可能です。今回、全国規模の学会の中で、私たちの施設の教育、研修医の先生のプレゼンテーション能力がAwardとして高く評価されたのはその一つの証明であり、大変うれしく思います。今後も意欲のある研修医の先生には、積極的に学術的活動を行って頂き、私たちはできる限りの支援を続けていきたいと考えています。
尚、本症例は消化器内科石井先生の手技が大きなウエイトを占めています。石井先生はじめ、 御指導いただきました先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。
平成25年4月~27年3月 初期臨床研修医
多加 喜望
こんにちは。小児科医の多加喜望です。ホームページを見ていただき、ありがとうございます。綾部市立病院について少し紹介させていただきます。
私が綾部市立病院のことに興味を持ったのは、私の尊敬する先輩方が研修されている病院だったからでした。先輩方が研修先として選ばれた病院なのだから、「さぞかし素晴らしい病院なのだろう、私も見学に行ってみよう」と思ったのが、綾部市立病院との関係の始まりでした。
病院見学で綾部に来た時は正直びっくりしましたが、感動もしました。なぜなら、想像していた以上に自然の声がよく聞こえ、とても心が落ち着く環境で、自然が大好きな私にとっては最高の環境でした。また、病院の雰囲気がとても良く、研修内容など深くは知らない状況でしたが、その日のうちに綾部市立病院で研修をしようと思いました。素晴らしい病院だ!一目惚れでした。
実際の研修を振り返ってみて、今は、綾部市立病院で研修をして本当によかったと思っています。
大規模病院に比べての中規模病院の利点は、他の中規模病院でも同じことが言えると思いますので、綾部特有のよいところをあげてみようと思います。
1.挨拶が多く、とにかく病院の雰囲気がいい。
仕事で疲れている時に、「先生、お疲れ様です!」と声をかけてくださる看護師さんや技師さん、掃除のおばちゃん、皆の笑顔に何度も元気をもらいました。お互いの声かけのお陰もあり、皆が生き生きと働いています。
2.研修医の数が少ないので、様々な手技をさせてもらえたり、珍しい症例があれば声をかけてもらえる。
希少な研修医なので、先輩先生だけでなく、他のスタッフからも優しく手厚い指導が入ります。スタッフの方々に顔を覚えてもらうことができ、一人の医師として、一個人として尊重され、日々やりがいを感じます。
3.専門診療科の間の壁がない。
今の私の医局の席は右が外科医、左が整形外科医、後ろが眼科医、前が内科医といつでもすぐに専門家にコンサルトしやすい状況です。研修医ルームと医局もつながっており、何かあればすぐに相談することができ、総合的な診療を行うことができます。仕事のことだけでなく、プライベートの相談にも、のってくださる優しく熱い先生方でいっぱいです。医者の数が少ないからこそ皆が協力しあい、皆で楽しくやっています。
4.自分の希望する研修メニューを組むことができる。
私は小児科志望であったため研修2年目は小児科をメインに耳鼻科・皮膚科など小児に関連がある科を廻らせてもらいました。オーダーメイド研修で研修内容のわがままを、かなり聞いてもらえます。
5.院内行事やクラブ活動がさかん。
医者の不養生はいけません。仕事のON/OFFをしっかりして、ストレスを溜めないようにしています。また他のコメディカルの方々と交流を深めることで、日常診療の仕事もお互いやりやすくなります。患者さんにとってもいいことだと思います。
6.地域の機関病院であり、綾部市民がこぞって来院するので、多岐に渡る疾患を自ずと経験することができ、また地域全体の疾病構造を知ることができ、生きた疫学を学べます。
小児科に関して言えば、綾部には開業医が少ないため、かかりつけ医として、子供の成長もみることもできます。
まだまだ、あげればきりがありません。
研修始めは慣れないない土地での新しい生活がとても辛く、ホームシックにかかっていた私でしたが、ある時からは、2年の研修が終わると思うととても寂しく感じるようになりました。そして、気がついたら綾部市立病院に残り、小児科医として働いていました。
地域や病院に対しての第一印象は大切で、「合う合わないはある」ものと思います。私に関しては、綾部の街が好きだからこそ、上司の先生や他の先生方、スタッフのみんなが好きだからこそ、患者さん(子供)が好きだからこそ、しんどくても頑張ろうと思うことができ、楽しく充実した毎日を過ごすことができています。
研修の環境は本当に大切だとつくづく感じます。研修の2年間で経験する多くのことは、医師人生の出発であり、本当にかけがえのないものになると思います。私がそうであったように、皆さんが研修生活を送る中で、人生において大切な何かに出会えることを心から願っています。皆さんが医者として、人として成長できる病院で研修されることを願っています。その病院が綾部市立病院であればよいと思います。