概要

臨床工学技士は医療機関において、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする医療機器の専門医療職種です。生命維持管理装置とは、自己で制御が困難になった生命の基本である、「呼吸」、「循環」、「代謝」という機能を、一時的あるいは恒久的に代行・補助する装置のことをいい、主に「人工呼吸器」、「補助循環装置」、「透析用監視装置」などがあります。我々は生命維持管理装置を必要とする患者さまの生体機能を適性かつ安全に代行すべく、日々の業務を行っています。

業務内容

血液浄化療法

血液浄化療法は、主に病状の原因となる血液中の有害物質を除去する治療法です。よく知られている人工透析もその内の一つです。当科スタッフは、ただ治療を行うだけでなく、より新しい技術を取り入れること、質の高い医療を提供すること、患者さまのQOL向上を追及することを念頭において、日々の業務に専念しています。また血液浄化センターにおいては、透析業務を支援する専用の通信システムを導入し、安全性の強化や臨床支援、患者サービスの向上を図っています。当科が担当する主な血液浄化療法と、血液浄化センターのスケジュール・設備等の概要を以下に記載します。

血液浄化療法の種類

• 血液透析、血液濾過透析
• 持続緩除式血液濾過療法
• 腹水濾過濃縮再静注法
• 単純血漿交換療法、二重濾過血漿交換療法
• エンドトキシン吸着療法

外来透析診療スケジュール

慢性維持血液透析療法

午前：8:00～12:30／午後：13:00～17:30

設備

検査・サポート

人工呼吸療法

人工呼吸療法は、呼吸不全の病態に陥り、人工呼吸器を装着する必要のある患者さまに対して行われます。当院では様々な職種の専門家が協力し合い、呼吸療法サポートチーム（RST）として呼吸不全に対する管理をサポートしています。また、気管に管を入れずに人工呼吸管理を行うNIPPVや、酸素療法であるハイフローセラピーも積極的に取り入れています。

心臓カテーテル検査

冠動脈造影検査（CAG）/経皮的冠動脈形成術（PCI）時のポリグラフ操作、外回り業務を行い、チーム医療の一翼を担っています。必要時には、瞬時血流予備量比（iFR）/冠血流予備量比（FFR）の測定、体外式ペースメーカ（一時ペーシング）、大動脈内バルーンパンピング（IABP）、体外式膜型人工肺（ECMO）を使用しています。

ペースメーカ外来

ペースメーカ外来では定期的に、植込み型心臓ペースメーカのフォローアップを行っています。フォローアップではプログラマと呼ばれる機器を用いた無線通信によって、ペースメーカの電池残量確認、プログラム変更、機器の動作確認を行っています。

医療機器管理

当科では、生命維持管理装置を中心とした、高度管理医療機器を専用の医療機器管理システムを用いて、適正に管理運用するよう努めています。院内全体の医療機器の監視と保守サポートを行うことで、院内スタッフが安心して医療機器を使用できる体制を築いています。

手術室業務

整形外科の脊椎手術に際し、神経要素損傷の発生を低減させるために使用される、神経モニターシステム（NVM 5）のセッティング、操作、データ収集を行っています。また、手術室内で使用している医療機器のトラブル対応も行っています。

主な所属先

• 日本臨床工学技士会
• 京都府臨床工学技士会
• 日本腎代替療法医療専門職推進協会
• 日本血液浄化技術学会
• 日本心血管インターベンション治療学会
• 日本不整脈心電学会
• 日本医療機器学会

認定資格取得状況